2008年02月22日

大規模修繕工事について

マンションにお住まいの方にとっては、数年毎に避けては通れない改修工事。

中でも屋根防水・外壁塗装を中心とした大規模修繕工事の場合、その経費は莫大なものとなる可能性が大です。

毎月の修繕積立金だけで賄うことができないケースも良く耳にします。
それではいったいその工事費用とは、どの程度かかるのでしょうか。
マンション修繕に関わる現在の状況を踏まえ、検討していく必要があるのではと思います。大規模修繕工事マニュアル



§1. 現在の状況
 平成13年末の時点で、全国でマンション(注1)に居住されている方が1,000万人を超え、400万戸以上のマンションストック戸数が有るとされています。
又、最近では都市部を中心に高層マンションも増え、郊外型も含め益々その数は増大していくのでしょう。
しかしながらその一方で、マンション特有の居住形態により、様々な課題(注2)を有している事も実状の様です。
なかでも、大小を含めて建物の修繕に関する問題は、近年社会問題化し、新聞紙上・雑誌等で紹介される記事を目にする機会が増えています。
そして現在では60%近くのマンションが築後10年を経過し、25%のマンションが20年を経過しているそうです。
 今後はさらに相当数の年数を経たマンションが急激に増大していくことが見込まれています。


§2. 国の対策
 この様な状況の中、平成12年12月1日には 「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が成立し、国・地方公共団体の支援の元、「管理組合によるマンション管理」の方向付けがなされました。
これは、マンション購入者が構成員である管理組合と組合員、そして国・地方公共団体の役割・責務を明記しています。
 ようするに種々多様なマンションの管理問題を、管理会社まかせにせず、管理組合が中心となり協力し、国及び地方公共団体の支援の元、皆で考えていこうというものです。


§3. 管理組合の対策
 最近では管理組合の努力と研究の元、建物の維持管理・補修等を管理会社に全面委託せずに、住民主導で管理しようとする動きが広がっている様です。
現に自主管理の団体がいくつか設立されたり、住民の方が直接業者を選定し、無駄の無い有益な施工方法で工事を遂行されたりと、住民の方の意識の高まりも相当の様です。



ところで、大規模修繕の目的とは、その本質とはいったい何なんでしょうか。

● 大規模修繕の目的
 前述の「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」の第三条による 平成13年8月1日告示の「マンションの管理の適正化に関する指針」の中で「マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値の維持・向上を図るためには、適時適切な維持修繕を行うことが重要である。」 とありますが、

1.年数の経過による、建物各部・附帯設備の劣化の修繕
例えば、
 ・躯体コンクリートの中性化
 ・コンクリートの割れ
 ・防水層破断による漏水
 ・壁塗装の塗膜剥離
 ・金物類の腐食・塗膜剥離
 ・設備機器(受水槽・ポンプ・エレベーター等)の機能低下
 ・etc
 
2.以上の見直しにより、居住環境が向上し、美観の観点からもより望ましい方向に向かい、

3.よってそれらが、ひいては資産価値の向上にもつながる。

ということで、居住者の方が毎月積立てている、修繕積立金等をより有効に活用する為に、修繕計画の策定とその確実な実行が大変重要になります。



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注1)マンション
 ここでは、その構造を、鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリート又は、鉄骨造とし、中高層(3階建以上)の分譲共同住宅を表わす。

注2)マンション特有の居住形態による課題
 1.一つの建物を区分所有する事による、所有者の意識の相違
 2.多様な価値観を持った区分所有者間の意思決定の難しさ
 3.利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ
 4.建物構造上の技術的判断の難しさ
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posted by reform guide at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ▼大規模修繕工事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする